相続の手続き完全ガイド|死亡届7日・相続放棄3ヶ月・相続税10ヶ月の期限管理【2026年版】
相続の手続きは 「①死亡届7日以内 → ②法定相続情報の取得 → ③相続放棄の検討(3ヶ月以内)→ ④準確定申告(4ヶ月以内)→ ⑤遺産分割協議 → ⑥相続税申告(10ヶ月以内)→ ⑦不動産の相続登記(3年以内)」 の順で進めます。 本記事は 法務省・国税庁の公式情報 をもとに、複数の期限を漏らさず管理するチェックリストを整理しました。
| 期限 | 手続き | 場所 | 主な必要書類 | 判断ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 7日以内 | 死亡届の提出 | 本籍地・死亡地・届出人住所地の市区町村役場 | 死亡診断書・届出人の印鑑 | 火葬許可証も同時に取得 |
| 14日以内 | 世帯主変更・年金停止・健康保険資格喪失 | 市区町村役場・年金事務所 | マイナンバー・健康保険証 | 世帯員が複数の場合のみ世帯主変更 |
| すみやかに | 戸籍謄本・法定相続情報の取得 | 法務局 | 被相続人の出生から死亡までの戸籍 | 全相続人の確定が必須 |
| 3ヶ月以内 | 相続放棄・限定承認の検討 | 家庭裁判所 | 相続放棄申述書・戸籍 | 負債が多い場合 |
| 4ヶ月以内 | 準確定申告 | 被相続人の住所地の税務署 | 準確定申告書・源泉徴収票等 | 年金受給者・個人事業主は必須 |
| すみやかに | 遺産分割協議 | 相続人全員 | 遺言書または遺産分割協議書 | 遺言があれば原則従う |
| 10ヶ月以内 | 相続税の申告・納付 | 被相続人の住所地の税務署 | 相続税申告書・財産目録 | 基礎控除超過時のみ |
| 3年以内 | 不動産の相続登記 | 法務局(不動産所在地) | 登記申請書・戸籍・遺産分割協議書 | 2024年4月義務化 |
相続の手続きで最初にやるべきことは?
相続の手続きで最優先は、①死亡届の提出(7日以内)と火葬許可証の取得、②被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)を集めて法定相続情報の取得 です。戸籍集めは 本籍地が複数あると1ヶ月以上かかる こともあるため、できるだけ早く着手します。その後、相続財産と負債の調査をして、3ヶ月以内に相続放棄するかを判断します。
相続手続きは 「葬儀・死亡届」「相続人と財産の確定」「相続方法の選択」「税金」「名義変更」 の5フェーズで進みます。複数の期限が並行して動くため、最初にスケジュール表を作るのが必須。3ヶ月・4ヶ月・10ヶ月・3年の 4つの期限 を意識して管理しましょう。
相続は プラスの財産だけでなく借金などのマイナスの財産も引き継ぐ ため、最優先で 被相続人の負債調査 を行いましょう。3ヶ月の相続放棄期限を逃すと、知らない借金まで背負うことになります。
死亡届はいつまでに、どこに出せばいいですか?
死亡届は 死亡を知った日から7日以内 に、亡くなった方の 本籍地・死亡地・届出人の住所地のいずれかの市区町村役場 へ提出します。提出時に死亡診断書(または死体検案書)が必須 で、医師から発行されます。火葬許可証も同時に発行されるため、葬儀社が代行することが一般的です。
必要書類
- 死亡届(右半分が死亡診断書になっている1枚の用紙)
- 届出人の印鑑
- 本人確認書類
葬儀社による代行
多くの葬儀社が死亡届の提出を 無料で代行 してくれます。火葬許可証の取得もセットで行ってくれるため、遺族の負担が軽減されます。受け取った 死亡診断書のコピーを5〜10部 取っておくと、後の保険金請求等で重宝します。
死亡診断書は 生命保険の請求、年金停止、遺族年金申請、銀行口座解約 など、さまざまな場面で原本またはコピーが必要です。役所に出す前に必ず 10部程度コピー を取っておきましょう。
法定相続情報証明とは何ですか?
法定相続情報証明とは、「亡くなった方の戸籍・相続人全員の戸籍」を法務局に提出すれば、相続関係を1枚にまとめた証明書を無料で複数枚交付 してくれる制度です。銀行・税務署・法務局など複数の窓口で戸籍一式を提出する手間を省ける ため、相続手続きを大幅に効率化できます。
取得の流れ
- 被相続人の 出生から死亡までの戸籍謄本 を集める
- 相続人全員の戸籍謄本を集める
- 法定相続情報一覧図を作成(法務局のサイトに様式あり)
- 法務局(被相続人の本籍地など)で申出
- 1週間程度で「法定相続情報一覧図の写し」が複数枚交付される(無料)
使える場面
法定相続情報一覧図の写しは、銀行口座の名義変更・解約、有価証券の名義変更、相続税申告、不動産登記、自動車の名義変更 など、ほぼすべての相続手続きで使えます。原本還付を気にせず、必要な数だけ無料で発行できるのが最大のメリットです。
相続放棄はいつまでにすべきですか?
相続放棄は 自分が相続人であることを知った日から3ヶ月以内 に、家庭裁判所へ 相続放棄申述書 を提出する必要があります。期限を過ぎると単純承認したとみなされ、借金などの負債も相続 することになります。財産調査に時間がかかる場合は、期間伸長の申立てが可能です。
相続放棄が向いているケース
- 被相続人に 借金が多く、プラスの財産より大きい
- 事業の連帯保証人になっていて、将来的に債務が膨らむリスクがある
- 相続関係に巻き込まれたくない(遠縁の場合など)
必要書類
- 相続放棄申述書
- 被相続人の戸籍謄本(除籍・死亡記載)
- 申述人の戸籍謄本
- 収入印紙800円・郵便切手
限定承認という選択肢も
プラスもマイナスもあって判断が難しい場合は、「限定承認」 という方法もあります。プラスの財産の範囲内でマイナスを引き継ぐ仕組みですが、相続人全員の同意が必要で手続きが複雑なため、専門家への相談が必須です。
相続放棄を検討している場合、被相続人の 遺品を勝手に処分すると「単純承認」とみなされる 可能性があります。価値あるものを売却・処分する前に、専門家に相談しましょう。
準確定申告とは?いつまでに必要ですか?
準確定申告とは、亡くなった方の1月1日から死亡日までの所得を、相続人が代わりに確定申告する手続き です。死亡を知った日の翌日から4ヶ月以内 に、被相続人の住所地の税務署へ申告します。年金受給者・個人事業主・不動産所得がある方 は対象になります。
申告が必要なケース
- 個人事業主・フリーランスだった
- 不動産所得(家賃収入)があった
- 給与収入が2,000万円超だった
- 給与以外の所得が20万円超あった
- 公的年金収入が400万円超で、その他所得20万円超
- 医療費控除や寄附金控除を受ける場合(任意申告)
還付の可能性
準確定申告で 所得税が還付される ケースが多いです。特に 多額の医療費を支払っていた、源泉徴収で多めに引かれていた 場合は、申告することで還付金を受け取れます。
遺産分割協議はどう進めますか?
遺産分割協議は 相続人全員で遺産の分け方を話し合い、合意内容を「遺産分割協議書」にまとめる 手続きです。遺言書がある場合は原則として遺言に従いますが、相続人全員が合意すれば異なる分割も可能です。協議書には 相続人全員の署名と実印 が必要で、印鑑証明書を添付します。
遺言書の有無を確認
まず 遺言書の有無 を確認します。公正証書遺言なら公証役場で検索可能。自筆遺言書が見つかった場合は、家庭裁判所で「検認」 を受ける必要があります(2020年以降の自筆証書遺言書保管制度を利用したものは検認不要)。
法定相続分(参考)
- 配偶者と子:配偶者1/2、子1/2を人数で分割
- 配偶者と直系尊属(親):配偶者2/3、親1/3
- 配偶者と兄弟姉妹:配偶者3/4、兄弟姉妹1/4
遺産分割協議書の作成
協議書には 誰が何を相続するか を明確に記載します。不動産は登記事項証明書のとおりに記載し、預金は銀行・支店・口座番号を特定します。相続税申告や名義変更の際に必須 なので、専門家にチェックしてもらうのが安全です。
相続税の申告はいつまでに必要ですか?
相続税の申告は 亡くなった日の翌日から10ヶ月以内 に、被相続人の住所地の税務署へ申告・納付します。基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下なら申告不要 です。期限超過すると 無申告加算税・延滞税 が課されます。
基礎控除の計算例
- 相続人が配偶者と子1人(合計2人):3,000万円 + 600万円×2 = 4,200万円
- 相続人が配偶者と子2人(合計3人):3,000万円 + 600万円×3 = 4,800万円
- 相続人が配偶者と子3人(合計4人):3,000万円 + 600万円×4 = 5,400万円
正味の遺産額がこの金額を下回れば、相続税の申告は不要です。
主な特例・控除
- 配偶者の税額軽減:配偶者の取得分は1.6億円または法定相続分まで非課税
- 小規模宅地等の特例:居住用宅地は330㎡まで評価額80%減
- 未成年者控除・障害者控除
不動産の評価が高い場合(特に都心の戸建て・マンション)、基礎控除を超えるケースが多い です。早めに概算評価を出して、申告の要否を判断しましょう。専門家への相談が確実です。
不動産の相続登記は義務ですか?
2024年4月1日から相続登記が義務化 されました。相続により取得を知った日から3年以内 に登記を申請しないと、10万円以下の過料 が科される可能性があります。法務局(不動産所在地を管轄)で手続きします。必要書類は 登記申請書、被相続人の戸籍、遺産分割協議書、相続人の住民票 など。
手続きの流れ
- 不動産の登記事項証明書を取得
- 戸籍謄本・遺産分割協議書を準備
- 登記申請書を作成
- 法務局(不動産所在地)に申請
- 登記完了(1〜2週間程度)
登録免許税
相続による所有権移転登記の登録免許税は 固定資産税評価額の0.4%。1,000万円の不動産なら4万円。司法書士に依頼する場合は別途5〜10万円の報酬がかかります。
法定相続情報があると楽
事前に 法定相続情報一覧図 を取得していれば、戸籍一式の代わりに使えるため 大幅に書類が減らせる ためおすすめです。
よくある質問
死亡届はいつまでに出せばいいですか?
死亡を知った日から 7日以内 に、亡くなった方の本籍地・死亡地・届出人の住所地のいずれかの市区町村役場へ提出します。提出時に 死亡診断書(または死体検案書)が必要です。火葬許可証も同時に発行されます。
相続放棄はいつまでにすべきですか?
自分が相続人であることを知った日から 3ヶ月以内 に、家庭裁判所へ相続放棄の申述書を提出します。期限を過ぎると単純承認したとみなされ、借金などの負債も相続 することになります。財産調査に時間がかかる場合は、期間伸長の申立てが可能です。
相続税の申告はいつまでに必要ですか?
亡くなった日の翌日から 10ヶ月以内 に、被相続人の住所地の税務署へ申告・納付します。基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下なら申告不要。期限超過すると無申告加算税・延滞税が課されます。
不動産の相続登記は義務ですか?
2024年4月1日から 相続登記が義務化 されました。相続により取得を知った日から 3年以内 に登記を申請しないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。法務局で手続きします。
準確定申告とは何ですか?
亡くなった方の1月1日から死亡日までの所得を、相続人が代わりに確定申告する手続きです。死亡を知った日の翌日から 4ヶ月以内 に、被相続人の住所地の税務署へ申告します。年金受給者や個人事業主だった場合は必要になります。